川尻の御蔵(かわしりのおくら)

かわんちゅ

2010年02月20日 18:56



前回の記事で書きました御蔵ですが、
その中で熊本に現存する
川尻の御蔵(かわしりのおくら)
についてご紹介致します。

川尻の御蔵(かわしりのおくら)とは、江戸時代の肥後細川藩の米蔵のひとつです。


肥後細川藩の年貢米の倉庫は、
川を活用した水運で繁栄した河港の町、
熊本市川尻の他に
熊本・高瀬(現在の玉名)・八代・大津・久住・鶴崎と
領内に7ヵ所存在しました。


この川尻御蔵は、
現在の川尻公会堂付近に東蔵
その中に中蔵
さらに西側に外城蔵と
三つずつの倉庫郡がありました。


現存する外城蔵の建築年次は
1680年(延宝8年)となっています。
約330年近くも風雨に耐え残っているわけです。


年貢米納入は明治に入って廃止され、
東蔵・中蔵は取り壊されました。


残る外城蔵だけは現存しており、
約二万俵(推定)ほど納入できる
二百坪蔵と
六十坪蔵の
二棟で、棟瓦の九曜の紋章や柱の手斧の跡が年代を感じさせます。


この他、
日本国内で現存する藩制時代の蔵は
鳥取県池田藩の橋津藩倉
岩手県盛岡の南部藩倉
熊本県宇土市御倉床藩倉
が確認されています。